取材記事

幼い時に見たワクワクと原宿に負けないドキドキを今に。【神明通り商店街振興組合】

会津若松の中心市街地を南北に走る神明(しんめい)通り。3本の国道が重なるこの場所で商売を営む施設を束ねるのが神明通り商店街振興組合です。

今回、お話を伺ったのは理事長の堂平義忠様。

自らのお店の経営から組合の運営まで、お忙しい中にも関わらず熱いお話を聞かせていただきました。

 

人の往来が絶えない神明通り

会津の’あきんど’の歴史とともに半世紀

―――まず、神明通りとはどんなところでしょうか?

会津でも最大規模の商店街で、店舗数は約120店舗。中心はアパレル系ですが、他にも塾、英会話教室、宝飾、めがね、時計、貴金属店など業種は様々です。また、高速バスのバス停もあるので比較的交通の利便も良く、銀行の支店があるのもこの商店街の特徴です。

―――神明通りの由来は?

この通りの西側にある神明神社からです。ここは昔のお城の中にあたり、ちょうど門前町に位置しています。また、この界隈にある興徳寺は裏通りにある小さな寺ですが、歴史はなかなか古く、豊臣秀吉が奥州仕置の際に泊まった寺として知られています。秋篠宮妃紀子さまの曽祖父、池上四郎の墓があるのもこの寺院です。

会津葵の御紋が歴史を物語る興徳寺の山門

―――なるほど。歴史もありそうですね?

始まりは戦後の闇市です。組合になったのは55年前で、県内では初めてでした。当時は郡山、新潟の万代橋より神明と言われたほどで、喜多方や田島から若松に行くのはトレンドでした。

神明通りには大善デパート(のちのニチイ)、長崎屋、サンキョウ(のちのゼビオ)、会津中合、ライオン堂があり、特にライオン堂は神明通りに本社があります。

幸楽苑の1号店は神明通りが最初です。

時代を見守ってきたアーケード

―――このアーケードが素晴らしいですね。

ここは東北で2番目のアーケードということもあり、「アーケードがあること」がこの通りの前提になっています。バスを利用する学生はもちろんのこと、夏の猛暑やゲリラ豪雨対策としても必要だと考えています。かといって、高さがあると雨や雪を巻き込んでしまうので、派手で華美なものではなく、「きれい」「しっくり」「シンプル」がポイントです。近年中に日本で一番新しいアーケードになる見込みです。

ハラジュク化プロジェクトは大好評

―――今年1月に開催されたハラジュク化プロジェクトは大好評でしたね。

この地域も台風19号の被災地に指定されていたので、その補助金を利用した地域の起爆剤として企画したのがこのイベントでした。

―――今回、ヤング世代をターゲットにした企画でしたが?

比較的ご年配向けのイベントは開催しやすいのですが、言い換えれば若年層向けショップやイベントが無いという課題があり、若者が商店街に興味を持って来てくれるきっかけを作りたかったというのがそのきっかけです。

―――お客さんからの反応はいかがでしたか?

ファッションショーを開催したのですが、地元会津若松出身のモデル坂口風詩さんにもゲスト参加して頂きランウェイを歩いてもらいました。それ見て「楽しかった」「私も出たかった」と目をキラキラさせている子たちがたくさんいたのが嬉しかったですね。こちらも嬉しい悲鳴で忙しすぎて目がけいれんしてしまいました(笑)

実際に初日早々に商品がなくなってしまった店舗もあったので、急きょ原宿から商品を搬入したくらいです。原宿の方もこの売れ行きには驚かれていました。

―――まさに街の牽引役と言ったところでしょうか?

私たちの自慢は、執行部のメンバーが他の事例、国の制度、法律から商談の時のアドバイスまで幅広く勉強していることです。私自身は組合の役員歴が浅く、いわゆる昔ながらのしがらみがないので、機関車役となってどんどん変えていっています。たとえば今まで県への依存度が高かった除雪作業を出来る限り自分たちに任せてもらう、また、駐車場の料金を30分50円にするなど、win-winの関係づくりを進めています。

―――新しいイベント始めるときの苦労などはありますか?

会津の動脈ともいえる3本の国道が重なっている場所がこの商店街なので、ベンチひとつ、テーブルひとつにしてもアーケードの下でイベントをするために許可を取るのもなかなか難しいことがあります。関係各所と調整しながらどこまでできるか、せめぎ合いですね。

―――イベントには自信あり、ということですね。

まず1回神明通りに来てみて欲しいです。毎月イベントをたくさん開催しています。

細々と地道に開催するのもいいけれど、たまには花も夢もあることもしないとね。私たちのイベントは滑ったりしない。毎回心臓がバクバクしますよ、私、失敗しませんから(笑) 

今年もどんどん仕掛けていきます。

―――ありがとうございました!

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会津若松最大の行事のひとつ「十日市」に合わせ5日間にわたり開催した神明通りハラジュク化プロジェクトは大盛況で終了。約1万人が来場したとか。

時代の変化により、商売の方法や形態、消費者ニーズも変わってきたと堂平さん。「小さい子が小銭を握りしめて店に行った時代があるように、商店街に行ってみたい」という気分を味わってほしい、という言葉が印象的でした。

神明通り商店街振興組合 詳細情報
業務時間 9:00〜17:30
連絡先  電話:0242-27-0729
     FAX:0242-27-3543
     info@aizu-shinmei.com (メールアドレス)
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ABOUT ME
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板垣 愛
埼玉県川越市出身。山形県鶴岡市にあるお寺に住んだ後、郡山市へ転居。本業は会社員。特技はカブトムシの幼虫を見てオスメスを当てられること。最近は会津の潜伏キリシタンに興味あり。