喜多方駅を降りて徒歩30秒のところにとあるお土産屋さんがあるんです。
そこはなんと、明治43年創業の商店!!
行ってみると美しい看板娘の方が、
温かく「いらっしゃいませ!」とお出迎えしてくださいます。
今回は、そんな歴史と新鮮さを持ち合わせた
【甲斐商店】の魅力に迫ります!!
インタビューに受けていたのは、お店の看板娘🌟
甲斐商店社長の娘さんの甲斐枝里子さんです。
東京でプロのダンサーとして活躍していた甲斐さんは
実家に帰省して商店の看板を背負う決断をしました。
現在でも、喜多方市に住みながら、
バックダンサーとして活躍もしている甲斐枝里子さんに
甲斐商店に対する熱い思いを聞いてみました!
ーーー今日はよろしくお願いします。ここはご実家なんですか?
甲斐さん:そうです。三兄弟の長女なんです。東京に14年間いて、2018年の4月に、後を継ぐということで東京から戻ってきたんですよ。
高校を卒業して、短大を出て、そこからずっとダンスのお仕事をしていて、今も、仕事がある時は東京と行き来しています。
喜多方にいますが、ありがたい事に、まだ、声をかけて頂けているので、仕事がある時は東京に。
女性シンガーのツアーダンサーをしていて、夏がコンサートで、冬はディナーショーがあるので、2ヶ月ぐらいずついない時があります。リハーサルと本番がある時だけ東京です。
ーーーバックダンサーしながらだったんですね!
東京と喜多方を行き来してるのは大変そうだけど、なんか充実してそうで羨ましいです!
ダンサーから看板娘へ
ーーー長女だからこそ、やっぱり戻ってこようかなっていうふうに思ったんですか?
甲斐さん:もともと、ずっと東京にいるつもりだったんですけど、5年前に、祖父が亡くなった時に、跡継ぎどうするという話になり、弟が自分の仕事をしていて、「継がない」という事でした。ので「じゃあ私がやります」と言いました。
それを5年ぐらい前に決めて、後は時期をいつにしようかと思いながら、「もうちょっとだけやらせてやらせて」と言って、2年前まで東京で、ちょっとしたCMとか、イベントとか、という形でダンスの仕事をしてました。
ーーーずっとここで生まれ育ってきたからこその思い入れみたいなものは、すごくあるんですか?
甲斐さん:そうですね、多分、兄弟三人の中では一番、お店にいましたし・・・。
ーーー跡を継ぐということが怖かったりしませんか?こう、自分が責任を負う。
甲斐さん:まだまだ知らないことが多いので、実感がそこまでないからこそできるんでしょうけど。
祖父のお葬式の時に、すごくいろんな方が来てくださって、今までの繋がりを、途絶えさせてはいけないのかなっていう気もして、駅前という場所なので、ここがクローズしちゃったら寂れるなと。
ーーー確かに、地元が廃れてしまうのは嫌ですよね。甲斐さんの地元愛が伝わります。
帰ってきてから感じた変化と苦労
ーーーここ2年ぐらい働いてみて、ここに対して思うことってありますか?変化とか、ありますか?
甲斐さん:お店は、2年前に改装して、半分はヤマザキのYショップで、あと半分をお土産独自のスペース。という形態があるので、それにしたんです。
売上が落ちてきて、お土産だけではやってけないぞとなった時に、そういう形態もあるのかなって、取り入れてみたんですけど。
ーーー今まで、作り上げてきたものから、新しいものにするのに、大変だったりとか、
甲斐さん:いいもの残しつつ、新しいものも入れていかないと、今の人には、受け入れられないのかなと思って、少しずつ新しいものを入れてみたりはしています。
ーーー来られるお客様は、地元の方が多いんですか?それとも観光客が?
甲斐さん:今は、桜の季節の来客が多いですね。枝垂れ桜が3km遊歩道がずっと続いていて、それを見に。駅前からだと長いんですけど、でも、駅から降りて、ずっと歩いていったりとか。
その時期にお客様がいらっしゃると、ゴールデンウィークがスカスカだったりとか、ちょうど重なればいいんですけど。ちょっと早まったりすると、先にピークが終わってしまって、ゴールデンウィークは別なところへ。
ーーー4月後半の桜の時期がピークで、逆に、あまり、お客さんが来ないなっていう時期はありますか?
甲斐さん:年間通してお客様は減ったんじゃないですかね。昔は喜多方ラーメンでお客様を呼んでいたんでしょうけど。桜も、車があれば、市内を通らずに帰ってしまったりするので、どうやって市内を見てもらおうか、みんなで考えています。
喜多方は会津若松より狭いので、見る場所が集まっていると思うんですよ。だからモデルコースを提案したり。
できることは、少しずつ、やってます。
新たな挑戦の志を胸に!!
ーーー今までのやり方から外れて、これからこうやっていきたいんだ、というようなことはありますか?
甲斐さん:うちにしかないものを入れたいなとは思っています。駅まで来たいなとか、商店に寄りたいなって思ってもらえるものにしたいんですけど、そのためにはどうしようかっていう、のを日々、考えています。うちにしかないオリジナルのものをちょっと置いてみようかとか。
日本酒も喜多方にある10蔵すべての商品を揃うようにしたいんです。「うちに来れば何でも揃うよ」という風にしたい。
社長もすごく情報を持っているので、案内所みたいに、コアな情報やマップに載ってない情報を聞ける場所になれば。
駅前がちょっと、殺風景と言うか、お店も減ってしまったので、もうあと、2、3店舗増えれば、盛り上がるのになとは思うんですけど。なかなか。
ーーーずっと東京にいらっしゃったじゃないですか。こっちに来て、不安なことはありましたか?
甲斐さん:まだ、今、行き来できているから、自分としてはいいバランスなのかもしれないです。どっちも頑張ろうと思えて。
東京の考えを、アイデアとして持ってくることもできるので。東京との架け橋というか。
東京で教えていた時の生徒さんも、年に一回、遊びに来てくれたりします。
ーーー地元の方とのつながりっていうのは、大きいんですか?常連さんがいたりとか。
甲斐さん:県外からも、毎年来てくださる方もいらっしゃいますし、最近は、私を覚えて、「よっ」みたいな感じで来てくれる方もいらっしゃって。
喜多方はイベントごと打つのは結構積極的にやってるんですよね。(この取材があった)2月が結構多くて、そばフェスタ、ラーメンフェスタ、喜多方酒フェスタとあります。
ラーメンフェスタの時に、ドリームフェスタというのが同時開催されて、今年はダンスコンテストだったんですけど、その審査員として呼んでいただいて、
東京からメンバーに来てもらってNoBrandというバンドでゲストでLiveをさせていただきました。喜多方の生徒さん達と一曲コラボしたんですよ!
ーーー喜多方の魅力は、どういうところだと思いますか?
甲斐さん:みんな優しくて温かい、人柄じゃないですかね。困ったら絶対助けてくれるだろうし。道に迷ったらすごく、丁寧に教えてくれるとか、父もお客様に質問されると話が止まらないんです!
ーーーお父様からは、継いで欲しいというような感じで、言われたりしましたか?
甲斐さん:言われてはいないですね。やれって言われたら、やっぱり、反発するとは思う。きっと。
弟が多分それで、長男で、どこかでプレッシャーを感じてたとは思うんですよね。でも今の時代、男だから継がなきゃいけないってものでもないと思ってるし、二人でやっちゃ駄目ってわけでもないし、弟や妹が帰ってきたいと言ったら、じゃあ一緒にやろうって、私は、言おうと思っています。
今だから言える。社長が語る娘さんへの想い
ーーーここはもともと、お土産屋さんとして最初から始まったですか?
甲斐社長:創業が明治43年なんです。喜多方駅ができたのが明治37年で、鉄道が通ったものですから、甲斐本家から駅前に分家してきまして、スタートは、倉庫業と、石炭屋だったんですね。
私は3代目なんですけど、大学を卒業して、修行して帰ってくる条件で、首都圏で、就職もほぼ決まっていたのですが、急に蔵の街で喜多方が、観光客が、ゼロだったのが、年間、5,6万人の方が来られるようになったので、結局、就職をキャンセルっていうか、親にすぐ帰ってこいと言われて。
昭和52年ですけど。私は全然、他所での、使われた経験がないんですよ。
そこで、急遽お土産を、置くようになりましたね。
その頃は駅前はもう、今の、大内宿のような感じで、それはそれはにぎやかだったんですよね。
今は信じられない。この静けさなんです。
甲斐さん:お盆とか、お昼休憩取れない感じでしたよ。
甲斐社長:5月の連休とか夏休みになると、子供達をかまってやる時間がないので、ここから電車に乗せて、若松駅まで迎えに出てもらって、おばあちゃんの家に4、5日預かってもらって。
絵日記が、よその方はどこどこに、家族で、ハイキングに行ったとか、でしょ。ところがうちの子は、おばあちゃんの家に行きました。
もう、涙が流れるような思いでしたですね。
甲斐さん:兄弟の中でも唯一すごく忙しかった時代の記憶があるのが、私なんじゃないですか。昔それだけ盛り上がってたからってという記憶があるから、継ごうかなと思ったのかな、「昔みたいにしたい」みたいな。
ーーーお父様に、すごく聞きたいことがあるんですけど、娘さんがこう、継いでくれるってなった時に、どういう気持だったのかなっていうのがすごく、恥ずかしいかもしれないですけど。どういう思いだったのか教えていただけますか?
甲斐社長:やっぱり、嬉しいっていうか、よく決断してくれたなって。真ん中に、長男がいますから、私は長男が、継ぐものだと思って、一応、修行してくるからって言うんで、じゃあ好きなことをやっていいよって、3,4年で戻ってくると思ったら、本当に好きな方に行っちゃって帰ってこない。
甲斐さん:そこまで自由に好き勝手させてもらってたのもあるかもしれないですね。
ダンスするって言っても、反対もされたことないですし、頑張りなさいって。お父さんも楽しみだもんね。毎年。見るのが。
甲斐社長:普段は不定休で、ほぼお休みはないんですけど、コンサートの時だけは休み。
ーーーものすごく素敵ですね。
若者への期待とこれからの甲斐商店
ーーー僕たちのような、若者や、よそ者といった人に、喜多方の地で、どういうふうにして欲しいなとか、期待することとか、ありますか?
甲斐さん:若い人の目線で、喜多方をいろいろ発見してもらって、楽しみを見つけてもらいたいです。
アイデアを貰えたら。「来て来て」とは言ったものの、来たけど、「こんなものか」と思われたくないですし。
ーーー今後に向けて考えていることって、なにかありますか?
甲斐さん:日本酒をもうちょっと勉強して、ほんとにみんなが、地元の人もそうですし、観光のお客様も、寄りたいなって、ちょっと顔だしていくかっていう場所にしたいです。
普通に友達が喋りに、遊びに来るでもいいですし、帰省した友達が、寄ってくれたりとか、そういう場になればいいなと。
それで喜多方が盛り上がればいいですね。
ーーー喜多方でお土産買うなら甲斐商店!!
そう認知されるようになっていくといいですね!
是非みなさんも喜多方に行ったら駅前の甲斐商店に立ち寄ってみてください!
素敵な看板娘の枝里子さんがきっと優しく出迎えてくださいますよ^ – ^
住所 | 〒966-0847 福島県喜多方市町田8269-1 |
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TEL | 0241-22-0033 |
FAX | 0120-24-3894 |
営業時間 | 7:00~20:00 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | 有り(10台) |
HP | https://www.kai-shouten.jp |