「会津木綿手づくり工房MON&MARI」代表の佐藤成美さんにお話を聞いてきました。
佐藤さんは、 2020年4月に東京代官山で開催される、会津のものづくりを紹介する展示会「Eyes on 會津 FUKUSHIMA」に参加予定とのこと。

会津木綿は、会津人の生活に深く結びついた伝統的な織物です。
会津木綿にインスピレーションを受けた作品の数々を拝見させてもらい、制作秘話を聞きながら、”モンマリ流”のクリエイティブマインドに触れてきました。

伝統的な「会津木綿」がクリエイティブを刺激する

会津木綿のトートバッグ。会津木綿特有の縞模様とスラブ(表面の凹凸)が特徴

会津木綿とは、降雪量が多く寒さのきびしい会津地方で古くから重宝していた伝統的な木綿です。古くは農業用の作業着や着物、袋や小物にも会津木綿を多く使用していました。

会津木綿の特徴は美しい縞模様と、保温性、吸水性、通気性に優れた堅牢な布であること。
糸を染めてから織るという技法は大量生産が難しいことと、化学繊維の普及による需要の低下で、会津に30軒以上あった織元も今ではわずか3軒のみです。
しかし、会津木綿を使った洋服やバッグなどの需要は、ここ数年で高まってきているといいます。

大好きな会津木綿で、「これいいな。」を作る

―――南会津町で、会津木綿の作品を作るようになったきっかけは?

佐藤さん:会津木綿が好きなのに、自分が使ってみたいもの、身につけたいものがなかったから、自分で作ろうと思ったんです。
いつも商品のアイデアは、「自分が使ってみたいかどうか」から生まれます。

「流行っているから」「商品として量産できるから」「売れるから」といった理由だけで制作することはありません。

第一、自分がワクワクしないものを作ろうとしてもやる気が起きないので作れないんですよ。
逆に、「これいいな。」とアイデアが思いつくと、あっという間に完成してしまうこともあります。

―――芸術家やクリエイターとしての才能の特徴だと思います!制作のタイムマネジメントはしていますか?

佐藤さん: あえて、時間を考えずに、区切りのいいところまで集中して作ります。
最初からスケジュールを組んでも、変なところで作業を止めるのは気持ち悪くなっちゃいませんか?
時間を忘れて没頭できる制作時間が好きなので、時間は気にしません。

普通の巾着に見えて、中には仕切りが。この仕切りのおかげで巾着自体が自立する。

―――商品の中で、特にお気に入りのものはありますか?

佐藤さん: 巾着袋です。普通、巾着袋って中のものがごちゃごちゃになるじゃないですか。
そこで、会津木綿の巾着袋の中に仕切りを作ってみたんですよ!
中央部分の縫い目に合わせてあるので見た目の不自然さはないですし、上を折り返すと自立するので置いておくのも便利なんですよ。

―――これは便利ですね!中が仕切られている巾着袋は初めて見ました!使う人のことを考えたアイデアですね。 オーダーメイド品の注文もあるんですか?

佐藤さん: 昨年は、オーダーメイドのバッグやカフェエプロンなどの注文を受けましたね。
依頼されるときに、イメージを伝えてくださったり、ある程度作り手側にゆだねてもらえるほうがやりやすいですね。
細かく指定されたものを作るのは、「ただの作業」になってしまいがちです。それよりも、使う人のことを考えてデザインしたり、ちょっと遊び心を入れるほうが、私らしい作品ができると思います。

「会津のものづくり」を東京で紹介する展示会を開催します

柔らかい風合いのストール

―――4月に開く作品展では、どのような作品を展示されるんですか?

佐藤さん: 4月に代官山で色鉛筆画家の大竹惠子さんらと、会津のものづくりを発信する作品展を開催します。

構想段階ですが、今まで作ったことのない新しいデザインも展示する予定です。
実は先日、会津地方で昔作られた未使用のサルッパカマ(野良着)を提供いただいたんですよ。
昔の部落に伝わる特有の柄で、今は全く同じ柄が作れないのでとても貴重なものです。
この昔の会津木綿をどんな作品にしようかとワクワクしながら考えています。

―――会津木綿の普遍的な丈夫さや使いやすさと、今の生活になじむデザインやアイデアが融合して、素敵な作品が出来るのが楽しみです!わたしもぜひ見に行きたいです。ありがとうございました。

「使い捨て時代」の先に、会津木綿のある暮らしを

私たちの生活は、「安くて使い捨て」のモノであふれています。
安いコストで大量生産された洋服。
100円で買える日用品。
すぐに捨てられるお弁当のプラスチック容器。
しかし、ゴミ問題やプラスチックの海洋汚染など、深刻に「使い捨て文化」を見直す時代が来たように思います。

「ミニマリスト」や「丁寧な暮らし」といった生活スタイルが注目されているのも、本当に良いものを長く使うことが本来の豊かさだと考える人が増えたからではないでしょうか。

そんな時代に、「会津木綿」がフィットすると感じました。
軽くて、夏は涼しく冬は暖かく、ジャブジャブ洗えるほど強い生地。そして見た目もおしゃれで美しい。お気に入りとして、長く使うのにぴったりです。

「会津木綿と会津人の暮らし」をヒントに、これからの時代の人とモノについて考える機会となりました。

会津木綿そのものが持つ魅力と、作家さんのクリエイティブなアイデア、丁寧なものづくりによって、会津木綿がもっと多くの人に知られる機会が増えていけばと思います。東京での展示会も楽しみですね。

会津木綿 手づくり工房MON&MARI
住所:〒967-0501南会津郡 南会津町古町字中川原 1170-11
TEL:050-1436-8624
mail:narumi_sato@monmarikobo.jp
Facebook:https://www.facebook.com/monmarifactory/

Eyes on 會津 FUKUSHIMA(展示会)
https://www.facebook.com/events/1147546618758119/