取材記事

【會・matiereマチエール】会津の食材をふんだんに使った健康的なパン作り!パン販売に留まらない地域との活動とは?

突然ですが、あなたはパン派?それともご飯派?

パン派の人も、ご飯派の人も、どちらも大好きだという人も皆さん必見!

今回あいづっぺでぃあでは会津若松市門田町にある地元に密着したパン屋さん、會・matiereマチエール店主の馬場さんからお話を聞くことができました。

今お腹が空いている状態でこの記事を見ている方はご注意を!

ここからいい匂いがしてきそうなほどの美味しそうなパンの写真が数々出てきます。深夜の閲覧も要注意ですよ…!(笑)

読む準備ができている方はぜひ続きを見ていってください!

店前のタペストリーは季節によって変わります
私たちがお伺いしたときはアイガモ栽培の発芽玄米をパン生地に使用した焼きカレーパンでした!

オレンジ色の外観に、お店の大きな看板とタペストリーが特徴です。
駐車場は3台ありますのでぜひ車でもお越し下さい。

お店に入ると途端に広がるパンのこおばしい匂い…!

様々な種類のパンが並んでいて、それぞれに丁寧な紹介文が添えられています。
選ぶだけでワクワクしてしまいますね。

會・matiereマチエールさんでは、会津若松の伝統野菜や果物などの食材をふんだんに使い、季節やその時々の環境に合った食材を使って様々な種類のパンを販売しています。

また、パンから健康をイメージすることは少ないかもしれませんが、こどもやご年配の方にも親しんでもらえるよう健康に気を遣った工夫がなされています。

食材やパン作りの工夫はこのあと迫っていきたいと思います。
皆さんもどんな工夫がなされているか想像しながら読み進めてみてください!

店主 馬場正佳さん

會・matiereマチエールさんの店主馬場正佳さんは、会津若松出身で県外で約11年間ほどパン製造に勤め、Uターンで出身地に戻ってこられました。

「ごはんのおかずは、パンにも合う」

と県外でパン製造をしていた時の先輩にもらった言葉が馬場さんにとってどんなパンを作っていくかの指針となり、現在のような会津若松の野菜や食材を使ったパンが出来上がりました。

地域の方が集まる交流会にも参加したりと
人と人との繋がりを大切にされています

馬場さんは上級食育アドバイザーの資格ももっており、その知識や経験を活かして地域のこどもたちやご家族と一緒に食農体験も行っています。

落花生の収穫、アスパラガスの収穫などを通してパン作りに使われている食材に実際に触れたり身近に感じてもらう環境を作られています。

予約は必要になりますが、随時パン教室も開催しています。

パンを作って販売するだけでなく、様々な角度から会津の食材の魅力をより多くの方々へ届けています。

店内ではこどもたちと行った食農体験のレポートを見ることができます

またinstagramやfacebook、ホームページからも情報発信を欠かさず、旬の食材や出来上がったパンなどの情報をお客様にお届けしています。

下記にSNSの情報もまとめて記載があるのでぜひそちらからチェックしてみてください!

こだわりの食材たち

ここからはリピーターも多い會・matiereマチエールさんのパンの魅力に迫ります。
まずは使用されている「食材」についてです。

會・matiereマチエールさんでは100%会津の野菜を使用しています。
しかし開店当初は10~20%ほどの使用率だったそうです。

100%会津の野菜を使用するようになったのは、約2年前に参加した福島県内で食の仕事に関わる方が集まるセミナーに参加したことがきっかけで、

多くの生産者がいる中で直接仕入れることの大切さを学ぶことになります。

落花生農家の山里食加工所・結城さんの収穫時期にお邪魔したのがきっかけで、

生産者の顔が見えることの大切さや、

出来上がったパンを食べるだけでなく、食を通して「楽しさ」や「自分で考える」といった馬場さんが食農体験を行い感じたことをもっと多くの人に伝えていきたいという気持ちが芽生えたそうです。

そのため馬場さんは、會・matiereマチエールさんで使用する野菜などの農家に自ら足を運び、実際生産者の方とお会いして直接仕入れされています。

その際栄養価がある野菜を作ってみたけれど知名度がまだあまりない状況でお客様には売れない会津野菜をいただくこともあるそうで、生産者の方々ともほっこりとした温かい関係性が築かれているようでした。

直接仕入れをしながら数多くの種類のパンがお店に並んでおり
馬場さんの食材への思いの強さを感じました。

また少し形がいびつだったりする野菜は懸念されがちですが、実際に調理をしてみたら美味しいんだ!ということを食農体験に参加してくれた人に楽しく実体験してもらったり、

以前のアスパラ収穫体験では、レシピを提供せずにアスパラや丸茄子や余蒔きゅうりなど見た目で敬遠されがちな会津伝統野菜など会津の夏野菜・食材で参加してくれた人とオリジナルレシピを一緒に考えることを提案されています。

提供ではなく提案、という言葉で食を通して伝えたい気持ちの強さを感じることができました。

健康のための工夫とは?

ここまではパンに使用されている「食材」の魅力のお話でしたがここからは「健康的」なパン作りの魅力に迫っていきたいと思います。

會・matiereマチエールさんの人気商品「会津コシヒカリ入りしっとり食パン」は動物性油脂などが含まれているショートニングを使用せず、商品名通りオリーブオイルを使用し、

食べ続けても健康に問題ないパンを作っています。

人気商品のため取材班が訪問した際には残り1つでした…!

オリーブオイルを使用していることに関心を持ち、郡山から購入しに来てくれる方もいるそうです。

なんとこの食パンは1歳のこどもの離乳食にもなるんだとか…!
使われている成分が安心できるからこそできることですね。

またお砂糖も精製糖であるグラニュー糖ではなく原料糖である本和香糖を使用しています。

※「精製糖(分蜜糖)」は、さとうきびや甜菜から作られる原料糖の不純物を徹底的に取り除き、純粋な甘味であるショ糖分のみを結晶化させたものです。また身体を冷やしやすくしてしまいます。
 これに対して含蜜糖である「本和香糖」は、原料糖に含まれる不純物を濾過して取り除き、それを濃縮して粉化させているので、原料糖が本来持っているミネラル分や風味、コクが残ります。
この残ったミネラル分が本和香糖のやわらかい味の特徴です。

会津の野菜そのものが栄養たっぷりで美味しいためそれを活かすため塩ではなく味噌を代わりに使っているそうです。商品である会津地鶏野菜たっぷりカレーのルウ作りでも、塩の代わりに味噌を入れて仕上げています。

さらに味噌も手作りで使われるお米、大豆、麹も100%会津で生産されているものなんだとか!手作り減塩会津地鶏野菜たっぷりカレーのルウにも、会津の方々の気持ちがたくさん込められているのが伝わってきます。

ちなみに現在の日本では約99%の大豆が海外からの輸入で賄われており、日本産はたった1%!その1%の一部が會・matiereマチエールさんで使用されているんですね…!

実際にお話を聞かなければ知ることのできなかった内容も多く、本当に健康を意識したパン作りをされていることにどんどん取材班も會・matiereマチエールさんで作られるパンや馬場さんの考え方に魅了されていきました。

會・matiereマチエールと関わりのある生産者さんのご紹介

會・matiereマチエールさんは多くの会津野菜や食材の生産者さんとの関わりがあります。

ここでは生産者さんたちを紹介します。會・matiereマチエールさんのことを知るのと同時に、多くの会津野菜や食材とその生産者さんのこともぜひ知っていただきたいと思っています。

【アスパラ収穫体験と創作料理で使った野菜と生産者】
・主にアスパラ:エガワコントラクター 代表 江川正道さん(喜多方市)
  「収穫体験&創作料理を楽しもう!」の会は今年も計画中で顔の見える(顔を互いが知っている)お客様優先で案内をしています。

<2019年9月1日(日)アスパラ収穫体験&創作料理を楽しもう!報告会>
https://aimatiere.com/2019/09/2379/
  こちらからぜひ昨年の内容も見てみてください。

・ 主にお米、大豆、落花生: 落花生山里農園 園長 結城敏徳さん(会津美里町)
・ 味噌、麹、甘酒等:山里食加工所 代表 結城智世さん
  こちらのお味噌は大豆の茹で汁を入れていない味噌です。
  麹も2種類あって、AOK139(エーオーケイ)という麹のお味噌を作っています。
【AOK139の参考情報】 https://www.nozawa-shokuhin.co.jp/koujikin-aok139/  こちらもぜひ見てくださいね!

・無農薬、有機栽培 無冠水完熟トマト(麗夏れいか):すとう農産さん(会津若松市北会津町)

・無農薬栽培 会津伝統野菜 余蒔きゅうり、丸茄子:長谷川純一さん(会津若松市門田町)

・会津伝統野菜(春 荒久田茎立ち、ちりめん茎立ちなど葉物を農薬・化学肥料不使用栽培):あいづロジカルファーム 諏訪さん夫婦のサンマルツァーノ・リバルゼ

・ 無農薬・有機栽培 人参、無冠水完熟トマト桃太郎等:長尾農園 長尾好章さん

・一部 夏トマト等:コリーファーム 佐藤忠保さん

・ブルーベリー:みのり果樹園 成田健太郎さん

・アスパラ:大竹農園 大竹淳さん 

・会津伝統野菜立川ごぼう キタアカリ:けやき蔵さん

・ 数種類のかぼちゃ、キタアカリ、野菜全般:大久保農園さん 

・会津地鶏の赤ワイン煮 (会津美里町新鶴ワイナリーの赤ワイン使用)

また、「ふくしま食育実践サポーター」という福島県の制度に馬場さんは講師として登録されているそうです。また先ほど名前の上がった山里食加工所の結城夫婦もこちらに登録されており、地域の皆さん、幼稚園、小中高などお子さんと食育活動にこの制度を活用していきたいと考えているそうです。
理解してくれる生産者さんにも少しずつ登録をお願いしていらっしゃいます。

ふくしま食育実践サポーターの詳細はこちらからhttps://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36035a/supporterseido.html

ふるさとへの思い

食農体験やパン教室など様々な角度から地域のお客様と関わりを持たれている馬場さんですが、働く上で原動力になったり、この仕事をやっていてよかったと思う瞬間は、

SNSを介してお客様からのリアルな声を聞いたときや、

「このパン終わっちゃったんですか?」と自分が納得がいくまで何度も試行錯誤した商品を、お客様にも共感してもらたり美味しいと思ってもらえていることだと話してくださいました。

會・matiereマチエールさんではその日毎に置いてある商品も違うので出会えるパンもその時々で変わっていきます。だからこそお客様にとって来店するときのワクワク感や、新しい商品と出会えたときの嬉しさが倍増しているんだなと感じました。

明日には出会えないかもと思ったらついつい購入してしまいそうです

また取材中にたまたま書きかけの大量の年賀状が目に入り、誰に送るのですか?と聞いたところなんと

食農体験など関わりが深いお客様に年賀状を毎年送られているそうです!

来店されている半分以上のお客様の顔と名前が一致しているそうで、地域密着型だからこそできることだと驚きました。

SNSの更新など馬場さんからの情報発信を大切にしているからこそ、人と人との繋がりが生まれているのだと思いました。

これからの若者へ

この記事の中には今まで食農体験、という言葉が多く出てきましたが皆さんが最後に土に触れたのはいつでしょうか?

しばらく触れていないな…と思った方もいるかもしれません。

そんな人たちに、土に触れる楽しさに気づいてほしいという思いを、馬場さんは取材班に話してくれました。

土に触れる楽しさだけでなく、普段は捨ててしまうようなものも価値が有ることや、

「提供」されることを待つだけでなく自ら考えて「提案」することの大切さを、これからも食農体験など様々な経験を通してより多くの人に伝えていきたいという、

馬場さんの食育に対する思いやパン作りへの思いが、少しでもこの記事を読んだみなさんに届いたなら嬉しいなと思います。

取材させていただきありがとうございました!

會・matiereマチエール

住所:福島県会津若松市門田町飯寺字村東36-4 ※駐車場3台有り

TEL:0242-23-8713 FAX:0242-23-8714

営業時間:10:00~17:00(売り切れ次第終了)

定休日:木曜日(不定休有り)

HP: https://aimatiere.com/

Facebook: https://ja-jp.facebook.com/aimatiere/

instagram: https://www.instagram.com/explore/locations/1026263902/