取材記事

【地域おこし協力隊 蛯名有里さん】迷ってるなら動け!ーLivingAnywhere Commons 会津磐梯

今回インタビューさせていただいたのは、

磐梯町の地域おこし協力隊として活躍されている郡山市出身の蛯名有里さん。

LivingAnywhere Commons会津磐梯(以下LAC会津磐梯)では、コミュニティマネージャーを務めています。

蛯名さんは地域おこし協力隊として磐梯町に来るまで、東京でトレーナーの仕事をされていました。

蛯名さんが東京を離れ、磐梯町に来た目的とは。LAC会津磐梯とはどんな施設か。

そして、蛯名さんが若者やよそ者に伝えたいメッセージとは。

大雪の日、LAC会津磐梯にてたっぷりとお話を聞かせていただきました。

東京での暮らしについて

ーーー磐梯町とはどんな町ですか?

蛯名さん:ここにくるまでは10年ほど東京の都心に住んでいました。

東京の夜に何が聞こえるかというと、車の音など人工的なものしか聞こえない。

情報が多すぎて”音がしない音”が聞こえない。

ここ磐梯町の七ツ森エリアでは葉っぱの音や虫の音が聞こえた。

それが自分には心地よかったんです。

ーーー東京では運動業界で働かれていたんですよね。

蛯名さん:そうなんです。よく知っていますね笑

ーーー磐梯町の地域おこし協力隊の記事で拝見しました笑 

蛯名さん:東京ではトレーナーとして運動を教えていました。

運動業界は若い業界だから、いろんな情報やトレンドが目まぐるしく移り変わるんです。

それはそれで刺激的でしたが、運動の本質から離れているように感じました。

ーーー運動業界のやり方に疑問を感じていたんですね。

蛯名さん:新しいやり方が増えるのは必要なことですが、受け止める側のマインドはもっと重要。

受け止める側の器ができていないのに進んでしまうことに疑問を感じたんです。

ーーー東京を離れたのはそれがきっかけなんですか?

蛯名さん:一番は東日本大震災がきっかけです。

あの日、渋谷では東日本大震災の際に数万人が帰宅難民になった。

5キロ歩いたことがある人は、お家までの距離が5キロだったら自力で帰る。

それを全然みんなやらなかった。

体力だなんだと言っていたのに何もできないじゃないかと思ってしまったんです。

東京や以前の職場を否定するわけではありませんが、

自分の知りたいこととか追求したいこととは違うなと感じました。

地域おこし協力隊になった経緯

ーーーなぜ磐梯町の地域おこし協力隊を選んだんですか?

蛯名さん:活動の拠点を自然の多いところに移したかったんです。

もともと祖父祖母の代から福島に住んでいて、磐梯山のエリアでも遊んでいました。

猪苗代スキー場で働いていたこともあったんですよ。

この辺りで働けたらいいなと思っていた時に、たまたま地域おこし協力隊の募集を見つけたんです。

ーーー地域おこし協力隊としてはどんなことをしたいんですか?

蛯名さん:それでいうと地域を起こそうとは一切思っていないんです。

環境の良いところで引き続き身体のことをやっていきたいというのがあって、

今はLAC会津磐梯を舞台に子どもの身体の発達支援を目指しています。

ーーーそうなんですね! 思い描いていた地域おこし協力隊のイメージと違って意外でした。

蛯名さん:地域おこし協力隊はただの制度ですもの。

受け入れ側の首長がどんな想いで呼んでいるかで、働き方や隊員の仕事内容も変わってくるんですよ。

何かが起こる場所

ーーーLivingAnywhere Commons会津磐梯ってどんな施設なんですか?

株式会社LIFULLが全国展開している、定額制の多拠点居住サービスの一拠点です。

磐梯町などの自治体や、いろいろな団体と共同して新たな働き方や生活を実験しています。

いろいろな人が集まる作戦会議の基地みたいな感じかな。

ここに来るとなにかが起きるって言われてるんですよ。

ーーーイベントも企画されてるんですよね。

蛯名さん:そうです!

1dayカフェや屋外での映画祭、講師をお呼びしてワークショップを行う手しごとスキルシェアなど。

そういう意味では好きにやらせてもらってますね。

今後の展望

ーーー今後、力を入れて取り組みたいことはありますか?

蛯名さん:今年になってから「こども帝国」というものを始めています。

どういうものかというと、ただ遊びの場を提供しているだけなんです。

おもちゃを提供するとかこちらで用意した遊び方を推奨するわけではありません。

子どもは興味の対象に手を伸ばすでしょ。

これおもしろそうだなと思ったときに止めない環境が重要で。

意外とそういう場は少ないと思うんです。

最終的には、「この場所では何をしてもいい」そんな場所を作りたいな。

ーーーとっても魅力的に感じます。どうしてそういった環境を作ろうと思ったんですか?

蛯名さん:運動業界で指導していた時の体験からです。

正しいスクワットってどうやるの?

高さはこれでいい?足幅は?

人間の体に正解はないのに最近はいろんな情報があるから、

唯一の正解がどこかにあると思ってしまっている。

そうして、自分で探すことをしなくなる。

こども帝国では、子どもが自由に身体を動かして、それをもとに脳みそも育っていく。

そうすれば創造力も豊かになっていくんじゃないかと思うんです。

迷ってるなら動け!

ーーー最後に若者や、移住を考えている方に伝えたいメッセージはありますか?

蛯名さん:え~難しいな!!

なんだろう。

「迷ってるなら動け!」かな。

自分もその傾向が強いので戒めを込めてですが、知ったつもりになっている人は全然知らないんです。

考えているんだったら、悩んでいるんだったら動いた方がいいと思う。

アクションをしている人には絶対勝てない。

一時間深く考えるより、一分の体験をしてほしいと思います。

ーーー蛯名さん、ありがとうございました。

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ibuki.nagasawa
東北を好きになった東京出身大学生。 ビールと日本酒を愛します。