取材記事

【観光レポート】180年以上暖簾を守り続ける味噌の味から見えたのは、会津人としての美への想いと気高き誇り【満田屋】

あいづっぺでぃあ取材班で集まり、ランチミーティングをしました。

会場となったのは、会津若松市七日町にある味噌の老舗「満田屋」。今回はこの満田屋をご紹介します。

江戸から守り続ける味噌の味

満田屋は、江戸末期(天保5年・1834年)創業の味噌専門店。
建物は昔の味噌・醤油製造の店構えで、会津のまちによく溶け込む外観となっています。

この店は味噌や味噌関連の商品を販売しています。
店舗の奥は味噌蔵となっており、改装した蔵の中で会津郷土料理「みそ田楽」や一品料理、地酒を楽しむことができます。

味噌蔵に一歩足を踏み入れてみると、ふわりとお味噌のいい香りが。
甘く濃厚で、どこか懐かしい。
そしていろり炭焼きの香ばしさも相まって、取材班のお腹は一斉に愉快な音を奏でたのでした(笑)。

つきたてのまる餅。外はカリっ!中はふわふわの食感♪口いっぱいに広がる甘味噌の香りが鼻から抜けていく瞬間は、至極のひととき。

今回は取材前ということで、地酒を楽しめないのは非常に残念でしたが(笑)、そんな気持ちも吹き飛ばされる内容の濃い素晴らしいランチとなりました。

頂いたのは「田楽コース(1400円)」。
6種類7本の田楽を楽しめます。
串の具材はこんにゃく2本、つきたてのまる餅、満田屋製なたね油で揚げた豆腐生揚げ、身欠きニシン、ご飯の半つぶし“しんごろう餅”、里芋です。

田楽の具材は、もちろんどれも会津産。
会津だからこそいただける味を田楽で楽しめます。

串はお皿に乗せられて運ばれてくる形式。
湯気立ったダイナミックな田楽に取材班からも思わず「わあぁ〜!」と感嘆の声が!

1種類ずつ運ばれてくるので、常に熱々の田楽を楽しむことができ、一つ一つの串の味を確かめながら、コースはゆるやかに進んでいきます。

具材に合わせた味噌でいただくお店のこだわり

具材ごとに味噌が変わるという贅沢な味噌の数々。具材にあった味噌をつけて焼いてくれるが、他の味噌で体験してみたい!と思わず思ってしまう。

田楽に塗られる秘蔵の味噌はどれも香り豊かで、甘味噌に始まり柚子・えごま・山椒の味噌を楽しめます。

これらの味噌を、店員さんが具材に合わせてたっぷりと塗り、いろりでじっくりと焼き上げてくれます。

調理場にはいろりが2基。
いろりの目の前にはカウンターがあり、焼かれていく串をじっくりと眺めることができる「ライブキッチン形式」です。
思わず時を忘れてしまう、至福の光景が広がっています。

さて、肝心の味はというと、どの一品も会津を体の内側から思いっきり感じことができるものになっています。

例えば、身欠きニシンにたっぷりと付けられた山椒味噌は、コク深い濃い目の味わいの中に、山椒のさわやかな香りが刺激的♪
丁寧に焼かれたニシンはふっくらとしていて、その身と味噌が奏でるマリアージュが堪りません!

身欠きニシン。さわやかな山椒の香りが口いっぱいに広がり、ニシンの風味と絶妙にマッチする

串によって異なる味噌を使うことや、その味噌自体に奥が深いこだわりと代々が紡いできたであろう暖簾を守る味噌への誇りによって作られた田楽コース。

食べ終わる頃には、もはや田楽が一つの芸術作品を堪能したかのような満足感でした。

店舗ブースで気付いた会津人としての誇りと美意識

完食しても味の余韻は残り、後ろ髪を引かれながら飲食ブースを後にして取材班一同は、物販コーナーへ移動。
ここには満田屋こだわりの味噌、食用油、みそ漬、会津高田梅、会津特産品を販売しています。

昔ながらの手絞り油(胡麻油・菜種油等)・会津産高田梅・もろみ・こうじ・漬物など。
その関連としてドレッシングも販売しています。

また合わせて数多くの会津伝統工芸品も販売されていました。

飲食ブースは、なんと蔵の中!一歩入れば、タイムスリップしたかのような非日常的な空間。

美味しい田楽でおなかを満たしたあいづぺっでぃあ取材班一行は、取材の工程もしっかり確認しそれぞれの取材元へ出発!
おかげさまで元気いっぱいに取材をすることができました。

田楽をいただき、そして店舗ブースをながめてふと気付いたのは、提供するプロダクト(商品)の美しさでした。
日本の伝統である味噌はとても繊細な味を奏で、販売されるお土産や工芸品は驚くほどきめ細やかな作りで、鮮やか。
会津の歴史を守り続けてきた会津人としての誇りと、きっと、だからこそ生まれたのであろう美意識の高さを体感することができました。

かつて、ドイツの小説家ジャン・パウルが「気高い誇りには、謙遜よりも才能を発揮させるものがある」と言ったように、会津人は、自身が会津人であることに誇りを持って生きてきたからこそ、食や生活に必要な物に多くの才能を発揮することができたのではないでしょうか?

当たり前のように身近にある物でも、そういった才能を注ぐことで培われてきた会津の貴重な文化。
人が人としての才能を発揮するために必要なことは、いかに自分自身に誇りを持つか、が大事なのだと気付かされたのでした。
田楽が好きな方、いろりでゆったりとした時間を過ごしたい方、会津の素敵な食材に出会ってみたい方。
ぜひ満田屋を訪れてみてください。

田楽を食べて、少しだけ自分自身に誇りを持ってみると、明日からの景色が少し変わるかも知れません♪

満田屋 詳細情報

所在地      福島県会津若松市大町1丁目1-25
電話番号     0242-27-1345
ホームページ   https://www.mitsutaya.jp/
営業時間     10:00~17:00(ラストオーダー16:50)
         ※お食事処の休業日は、店舗の休業日に準じます。
定休日      1月~3月:毎週水曜日
         4月~12月:第1・2・3水曜日
         ※祝祭日の場合は営業
         ※上記以外に2月と9月初旬に振替休業あり
駐車場      無料(13台)