取材記事

「お酒が好きだから。」創業から201年の【笹正宗酒造】8代目社長は、頭はクールで心は熱い。

今回は、福島県郡山市出身で現在、中央大学に進学している僕が、
人生で初!酒造屋さんに行き、取材をさせていただきました。

率直に行ってみて思ったことは、
「敷地でか。」
「周りなんもな。」

ただ、のどかで何もないのがなんか良い(笑)
そんな中訪ねたのは、

<笹正宗酒造株式会社>

1818年(文政元年)創業

「ほんものを造る」という社是のもと
1977年(昭和52年)より、

福島県はもちろんのこと全国でも早くから純米酒製造、販売に取りくんでおり、今の地酒ブームの口火を切った酒造屋さんなんだとか・・・

創業から201年!?

めっちゃすごすぎる(笑)

「ごめんくださーーーい!!」

「本日取材させていただく予定のあいづっぺでぃあの者なのですがーーー」

奥からお越しいただいたのは、

8代目社長の岩田悠二郎さんでした。

岩田さん:「お酒好き??」

ーーーその一言で取材が始まりましたーーー

初めは継ぐつもりはなかった・・・!?

ーーー8代目ということですが、継ぐのは当たり前だったんですか?

岩田さん:いやーそんなこともなかったんだけどね。

高校までは、お兄さんが継ぐと思っていた。

ーーーあ、そうだったんですね!

お兄さんが継がないことがわかった時に

自分が継ごうと思うように自然となったみたいです。

ーーーなんでそう思ったんですか?

岩田さん:金持ちの生活したいな。そう思ったから(笑)

ーーえ、ああー確かに!

酒造屋さんって金持ちのイメージありますもんね

そこまで、継ぎたくて継いだってよりも

自然に継ぐ流れになったように話してくれましたが、

そこまで至るのに何かいろんなありそうだな

よし、もう少し聞いてみよう笑

自分家の酒がまずい。

岩田さんは、大学では経済学部に通い、

その後、就職していい日本酒を飲む機会が増えたそうで

毎日、日本酒を飲んでる時に

自分の家の酒と他のお酒を比べた時に

「自分家の酒が美味しくない」

そう思っていたそうなんです。

また、家業の経営が傾いてるんじゃないか

という一面も垣間みえていたようで、

実家に帰ってくるたびにーーー

従業員の数が減っているのを感じたとのこと・・・

岩田さん:疑いの眼差しで見るとキリがなくなったよ(笑)

ーーーそうだったんですね、、、

初任給が高い稼げる大手コンビニエンスストアへ就職。

いずれ戻ってくるつもりだから・・・

『お金稼げる初任給が良い会社にしよう!』

というのが岩田さんの就職の条件だった。

ーーーなぜコンビニだったんですか?

岩田さん:それは、数字の見れる会社が良かったからかな

決算書とか貸借対照表とかを見れる会社で働いたほうが、

経営のこととかわかるなと思ったそうです。

ーーーいずれ帰ることを見越して、

後継いだ時に、必要な経験を得れる会社に行ってたんですね。

4年間ほど働き、笹正宗酒造へ戻ってきたそうです。

これはやばい。

最初、親父さんは会社の経営のことに関して

何も見せてくれなかったそうで・・・

借金とかを背負うことは嫌だったけど、

「いい酒を作って売り上げを上げて行こう」

そういう想いを持っていたそうです。

平取、専務三年を経て、

30歳で8代目社長。

ーーー社長としてやっぱり大変ですよね。

岩田さん:初めは、志が高かった訳ではなかった。
経営状況も悪く、楽ではなかった。

今は、社長になって三年・・・

やっぱり苦労しかないよ。(笑)

「明日、従業員に給料払えない。」
「今日作ったお酒が明日売れなくなったら・・・」

責任感どころの話ではないよね
自分で起こした会社なら何があっても自分のせいだけど、

ここは自分の責任じゃないものを背負わないといけない。

創業201年という歴史を守っていく

という重圧がやっぱりかかってるんだなと感じました。

酒造業界が衰退している?

ーーー酒蔵が減ってきているのはなんでなんでですか?

岩田さん:日本酒が売れてた30年前と今で違うことがあるんだよねー

なんでだと思う?

ーーー若者が減ったからですかね?

岩田さん:いや違うね。

頭固いね大学生(笑)

お酒の種類が増えて選択肢が増えたからだよ

昔は、選択肢が日本酒以外ほとんどなかったそうで・・・

酒蔵が減ってしまった理由は?

昔は、1位ビール 2位日本酒

今では、日本酒以外のお酒の種類が増えている。
(缶酎ハイ、ワインなどなど・・・)

お酒の種類が多くなったことによって、

お酒を選ぶ選択肢が増えてしまったことにより、

日本酒が売れなくなってしまったんですね。

ーーー確かに、お酒の種類たくさんありますもんね〜

この仕事はかっこいい。

ーーー苦労もたくさんある中でそれでもお酒作りを続けられているのはなんでですか?

岩田さん:やっぱり、お酒が好きだからかな。
日本で1000軒ほどしかない酒蔵。で働くこと
「それってかっこいいべ!」

好きなことを仕事にできているからこそ
辛くても続けてこれていて、誇りを持って働いているのを感じました。

会社としてこだわってるところは?

ーーー笹正宗酒造店さんのこだわりポイントってありますか?

岩田さん:作ったお酒一つ一つしっかりと責任持って売り先を決めることかなーー
お酒に想いやコンセプトがある責任を持って作ったお酒の想い(バトン)を繋いでくれる場所に卸している。

地元への想い。今後の夢。

ーーー地元(会津)に対してどういう想いがありますか?

岩田さん:酒蔵は経営が行き詰まると・・・安いお米を使ったりする。
けど、自分が社長になってから、90%は福島のお米を使っている。
(そのうちの6割くらいは喜多方のお米)
周りが見るからに寂れてきているからそういう観望を減らしたい!!

ゆくゆくは、別の法人作って農業する!
「農業がしたい若者」が農業ができるように

その受け皿になることをしていく。
それをやっていきたい。

そんな大きな夢を語ってくれました。

その上で、まずは、

作ったお酒を県内で着実に売っていくこと。

そのあと、東日本・西日本・全国へ広めていきたい。

お酒を買ってくれれば、

福島・会津にきてくれる人を増やしていけると思っている。

熱い想いが優しい顔からでもものすごく伝わってきました。

若者へのかすかな希望を残していく。

ーーー僕たちのような若者ができることは酒蔵屋さんだと何がありますか?

岩田さん:醸造に興味持ってもらえるように

体験する機会を作ったりすること。

体験によって
「醸造っていいな」
「お酒好きだな」

そう思ってもらえて、
「お酒作りをしたい!」
という若者を増やせたらいいよね。

「食品製造・醸造づくりって楽しいよ」
っていうことをもっと伝えていくこと。

それができれば

地元を離れていくことも少しは無くなるのかな。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

今回、笹正宗酒造店に行ってみて、

ものすごく歴史のある由緒正しいお酒を誇りを持って作っているんだなと感じました。そして何より、こだわりのお酒をもっと多くの人に飲んでもらいたい。会津喜多方という地で日本酒を作り続け、創業から201年を迎えた笹正宗酒造の8代目社長岩田悠二郎さんからは、穏やかで優しい雰囲気を感じ取れましたが、心にメラメラとした『青い炎』のようなものが灯っているなと感じました。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

  会 社 名   笹正宗酒造株式会社
  代表取締役   岩田   悠二郎  (八代目)
  本社住所   福島県喜多方市上三宮町上三宮字籬山675
   電話 0241-24-2211     Fax 0241-23-1575
  創    業   1818年    文政元年
  社    是   ほんものを造る
  社 訓   信用は無形の財産
 ホームページ http://www.sasamasamune.com/onlineshop/index.php?dispatch=pages.view&page_id=3
  
 
ABOUT ME
アバター画像
大川翔
福島を変革する男、今日もOK!!代表大川翔 福島県郡山市出身。南相馬市在住。 あいづっぺでぃあでは、学生統括・ライターとして活動しています。