取材記事

「日本酒は罰ゲームではなく、コミュニケーションツール」会津の酒蔵と観光客を繋ぐ【会津庄助蔵瀬倉ともこさん】

会津の観光名所に「七日町」と呼ばれる通りがある。
その一角に「会津庄助蔵」と言う、会津の日本酒50銘柄が飲めるお店が一軒ある。
今回はそのお店で店長をしている瀬倉ともこさんからお話を聞かせていただいた。

年代を広げて、皆さんに楽しんでもらいたい

地元で愛されているご当地キャラクター「んだべぇ」

---先ずは本日の取材を受けていただけた経緯について教えてください

日本酒と言うと、自分のおじいちゃんがとかのイメージがあるかと思います。

でも最近では日本酒を作っている蔵元さんでもワインに似せた日本酒を作っていたり、ラベルのデザインに力を入れていたり、皆さん様々な工夫を施していて、年齢の高い方だけではなく、若者の方や幅広い年代に日本酒を楽しんで欲しいと言う思いから、今回の取材を承諾しました。

---確かに、日本酒と言うと年齢の高い方のイメージで、若い方が飲んでいるイメージはあまり少ないですね

そうですよね。最近ではビールやハイボールなど、色んなお酒があるので日本酒を選ぶ優先順位はだいぶ低いと思います。沢山種類があって何を飲んだら良いのかもわからないかもしれません。でもあえて、わからないからこそ飲んで見てお店の人や一緒に飲んでいる人と会話をして欲しい。そんな「コミュニケーションツール」の一つとなれるのも日本酒の魅力です。

会津の酒蔵29蔵、約50銘柄を飲む事ができる唯一のお店

---それでは始めにこちらのお店はどう行ったお店なのでしょうか?

はい、こちらの「会津庄助蔵」は5人の異業種の社長さん方が福島を元気にしたいと言う想いから、まずは会津の日本酒を広めたいと始まったお店です。
このお店では会津の日本酒を作っている蔵元、全29蔵の約50銘柄全ての日本酒が揃っていて、ここに来れば会津の日本酒を全て飲む事が出来るようになっています。

---会津の全ての日本酒が飲める?凄いですね笑笑

会津の中でも全ての蔵元さんが揃っているお店はここしかないと思います。
それで、ここで気に入った日本酒があれば、是非その蔵元さんに行ってみて欲しいと言う想いから、観光の拠点として、または日本酒を通して蔵元さんとお客様を繋ぐハブの様な立場になれればいいなと言う気持ちでこのお店を行なっています。

全蔵元の日本酒を飲み比べする事ができる

---こちらでは50銘柄を飲み比べ出来るんですね

そうです。仮想通貨的に500円で一庄助、三庄助分購入してもらい一庄助をおちょこ一杯分と交換出来る形で置いてある様々な日本酒を飲み比べする事が出来ます。
また、ここで働いている人全員が「日本酒アドバイザー」と言う資格を持っており、どんな日本酒を飲みたいか、相談しながら楽しんでいただけます。

可愛いデザインの日本酒の蓋一つが一庄助として、様々な銘柄を楽しむ事ができる

---日本酒アドバイザーですか。どういった資格なのですか?

はい、福島県を中心に活動している「日本酒学会」と言う団体が認定している資格で、日本酒の製造工程から日本酒の分類の理解、ラベルの読み方など学べる講座を受講する事で取得できる資格で、豊富な知識からお客様にあった日本酒を一緒に選ばせていただいています。

---日本酒の知識がない方でも、気軽に自分に合った日本酒を見つける事が出来そうですね。

そうですね。やはり日本酒は沢山あって、どれを飲んでいいかわからない方もいると思います。
比較しやすく、皆さんも聞いた事がある純米酒や大吟醸酒の何が違うのか、から選んでいただくことも出来ますし。搾りの過程でも種類が変わっていきます。
「初しぼり、中どれ、責め」の3種類に分類されており、初しぼりはさっぱりとした味になってます。中どれは味も濃度もバランスが良く、責めになるとアルコール度数も高くなってきたりとそれぞれの特徴があります。
または酒度、酸度と言った違いもあり、日本酒の選び方は十人十色です。

---色んな分類の仕方があるんですね、今のお話だけでも日本酒を選ぶのが楽しくなりそうです!!

そう言った方は是非、日本酒アドバイザーの資格を受講して学んでみると、居酒屋とかで日本酒を選ぶのも楽しくなると思いますよ笑

全ての蔵元が美味しい。会津の日本酒の魅力

---様々な地域に日本酒がある中で、どうして「会津の日本酒」なのでしょうか?

日本酒は原材料がお米であることから、美味しいお米が出来なければ美味しい日本酒は出来ません。
その中で会津には磐梯山の万年雪が溶けて流れてくる雪解け水があるんです。
これが超軟水で、美味しい日本酒を作るのに適しているんです。このような適した環境があることから、福島県内に約50蔵ある日本酒の蔵元さんの内29蔵がこの会津にあるんです。

会津で作られている日本酒の数々

---福島の半分以上の蔵元さんが、この会津に集結しているんですね

これは全国でも多い方だと思います。しかもどの蔵元さんの日本酒もおいしいですからね、会津で日本酒を選んでいただければ間違い無いです笑
「全国新酒鑑評会」と呼ばれるその年に出来た日本酒を発表する会があるんですが。福島県は7年連続で金賞の受賞数が日本一なんです。国権さんは12年連続で金賞を取っていたり、会津の日本酒の美味しさは全国で認められているんです。

---確かに、会津に訪れる度に僕も日本酒を飲ませてもらっているのですが、本当に美味しくて好きになってしまいました。それくらい会津の日本酒には魅力が大いにあるってことですね。

そう言ってくださる方をこれからも増やしていきたいと言う思いから、様々な日本酒のイベントを行っています。会津大学の学生さんや、産業能率大学の学生さんにも協力してもらいながら会津をメインに他県でも行っているので、ぜひ一度会津の日本酒を飲んで、美味しい日本酒を知って欲しいです。

日本酒は罰ゲームではないわからないからこそ飲んで会話を楽しんで欲しい

---最後に若者の方へメッセージをお願いします。

やっぱり日本酒と言ったら、若い方からすると飲み会の「罰ゲーム」的な印象が強いと思います。でもそんな日本酒の飲み方はもったいない‼︎
ぜひ色々な日本酒を味わって飲んでもらって、美味しい日本酒に出会って欲しい。
最近ではビールとか、ハイボールとか定番のお酒もあると思いますが、日本酒にしかない魅力がたくさんあります。分からないからこそ飲んでみて、その日本酒について、お店の人や、友達と会話をして欲しい。日本酒はそう言う意味でコミュニケーションツールの一つなんです。

---分からないからこそ飲んでみる、本当にその通りですね、会津で日本酒を飲んだことで、好きになりました。ぜひ若い人には会津に来て、美味しい日本酒に出会ってみて欲しいですね。

そうですね、多分若い人からすれば会津や田舎には何もないって言うイメージがあると思うんです。でもそれが逆に良い、何もないのが良いんです。
都会の喧騒から逃れて、会津で美味しいお酒を飲んで、美味しいご飯、素敵な温泉に入りながら現実逃避する。そう言う意味では最適だと思います。
百聞は一見に如かず、ぜひ実際に足を運んでみて体験してみてください。

都会の喧騒から逃れる。普段仕事や、人混みの中で疲れたりしたら、美味しいご飯、お酒を飲みながら現実逃避して、ゆったりとした時間の中で何も考えず、リフレッシュをする。そんな都会にはない魅力を求めて、会津に足を運んでみてはいかがだろうか。

今回取材させていただいた瀬倉ともこさんと取材を担当した自分

会津庄助蔵 

住所:〒965-0044  福島県会津若松市七日町2-40
TEL:0242-77-5559
営業時間:11:00~18:30  定休日:火曜日
アクセス:JR只見線/七日町駅 徒歩6分(470m)
      JR磐越西線(郡山〜会津若松)/会津若松駅 徒歩17分(1.3km)
facebook:@aizushosukekura
Instagram : @aidushousukegura