会津の野菜を使ったパン作りへのこだわりと、苦労して生まれた新商品の魅力【會・matiereマチエール】

会津若松市にある、会津の野菜・伝統野菜を使ったパンが売りの「會・matiereマチエール」というパン屋さんをご存知でしょうか。

会津産の野菜と伝統野菜を使っているほか、添加物を極力おさえて手作りしているため、安心して食べられるのが魅力です。

あいづっぺでぃあで取材をさせていただくのは2度目ということで、今回は新商品である「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」のことや、今後の展望などを中心にお話を伺いました。

會・matiereマチエール自体の紹介や、店主である馬場さんの経歴などについては前回の記事をご覧ください。

・前回記事:
【會・matiereマチエール】会津の食材をふんだんに使った健康的なパン作り!パン販売に留まらない地域との活動とは?
https://aizuppedia.org/blog/1285

新商品「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」の魅力

ーーーまずは今回、新しく開発した商品について教えてください。

今回開発した新商品は、モチモチとした食感の生地のなかにピーナッツとチョコのクリームを入れた、その名も「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」です。

新商品である「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」の、おすすめの食べ方はレンジで20秒ほど温めること。2〜3日経ったパンでも美味しく食べられる。

生地には会津産コシヒカリを練りこみ、バターではなくオリーブオイルを使用してモチモチとした食感に。

そして2種類のクリームのうち、ピーナッツクリームに会津産の落花生を使用しています。チョコ・ピーナッツともに卵不使用で、アレルギーの方でも食べられるようにつくりました。

さらに、クリームのなかにはピーナッツを混ぜたお餅を入れています。なめらかなクリームと、ザクザクとしたピーナッツという食感の違いがお楽しみいただけるのもポイントです。

新商品「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」の断面。上部にピーナッツクリーム、下部にチョコクリームが入っている。

ーーー1つのパンで、2つの味と食感が楽しめるのですね。

はい。あとはレンジで20秒ほどチンするとクリームがやわらかくなって、とろけるようなクリームの食感も味わえます。

そんなふうに食べ方のアレンジができて、何回食べても飽きのこない商品を作りました。

新商品の開発は、苦難の連続だった

ーーー新商品は会津産の落花生を扱う「オクヤピーナッツジャパン」とのコラボ商品ということですが、どうしてピーナッツに目を付けたのですか?

約3年前にオクヤピーナッツジャパンの松崎社長と知り合って、工場見学をさせていただいたときに会津でピーナッツを作っているということを知ったんです。それでコラボ商品を作りたいなと思って何回かトライしましたが、どうしてもコストが掛かってしまい…そのときは製品化に至りませんでした。

ですが、2020年の5月あたりに、福島県の「6次化商品創出連携支援事業」という、補助金をいただいて商品を開発する事業を見つけて、今回こそオクヤピーナッツジャパンの落花生を使った商品開発をしようと思ったんです。そしてオクヤピーナッツさんにもOKをいただき、申請も無事に通ったのでコラボ商品の開発をスタートさせました。

「会津ピーナッツ モチモチ2色クリームパン」には、いちご入りバージョンもある。クリームの甘味といちごの酸味がマッチしていて、こちらもおすすめ。

ーーー開発にあたって、苦労したことはありますか?

まずはクリームの固さですね。とろける食感がほしいとの要望があったので、はじめはクリームをゆるめに作るように心がけていました。でも、それだと作った当日はよくても、時間が経つにつれて少しずつクリームがゆるむんです。このパンは卵を使っていないので、牛乳だけだとクリームの固さをキープできなくて。

それに、クリームがゆるむ原因として油分の多さも考えられたので、口溶けを良くするために入れていたオリーブオイルを思い切ってカット。ピーナッツバターの油分だけで作るようにしたら、うまくいったんです。当初は1ヶ月ほどの開発期間を予定していましたが、結局完成するまでに2ヶ月半以上かかってしまいました。

ーーーちなみに、ピーナッツを混ぜたお餅を入れたのはなぜですか?

最初は入れる予定ではありませんでしたが、試作品を毎日食べているうちに私自身がクリームの味に飽きてしまったんですよね。それで「これじゃだめだ」と思い直し、飽きない食感のパンを作ろうと思ったんです。

ちなみにこのピーナッツを混ぜたお餅は、雪見だいふくからヒントを得ました。雪見だいふくのようなお餅の食感が、このパンにもあったら面白いだろうなって。

ーーーでは、クリームを2種類にしたのは?

実は当初はピーナッツクリームだけの予定でしたが、ちょっとした遊び心でチョコクリームをオクヤピーナッツジャパンの松崎社長に持っていったら「どちらも採用しよう」ということになったんです。

だからピーナッツクリームは試行錯誤の末にできた力作ですが、チョコクリームは遊び半分ということになります(笑)

新商品は、お店のいちばん目立つところで販売されている。

ーーー異なる味と食感が楽しめる新商品の開発には、そのような秘話があったのですね。お客さんからの評判はいかがですか?

ありがたいことにお客さまからも好評で、リピートしてくださる方もいらっしゃいます。

あと、新商品の発売にともなってテレビや新聞などのメディアに露出させていただく機会があったので、それを見たお客さまがたくさんお店に来てくださいました。

放送直後は店内がとても賑わっていましたが、やはりコロナの影響からか、少し経つとまた静かになりましたが…。それでも「美味しそうだから、混雑が落ち着いたら行こうって思ってた」って言ってくれるお客さまもいて。混雑を避けてまで買いに来ていただいたことは本当に嬉しかったです。

會・matiereマチエールを通じて目指す地域への貢献

會・matiereマチエールのドア前には、季節ごとにイチオシの商品を紹介したタペストリーが掲げられている。

ーーー会津の伝統野菜を使ったパンを製作している馬場さんが、これから作ってみたい商品や使ってみたい食材などがあれば教えていただきたいです。

まず使ってみたい食材は、会津産の「ぶどう」です。実は数年前に干しぶどうを使ったパンを作ってみたのですが、日本のぶどうには皮があったり、種があったりしてパンにはあまり向かなくて。

お客さまの好みがはっきり分かれるような商品だったので、会津産のぶどうを使ってもう一度トライしてみたいなと思っています。

あと、作ってみたいのは「シュトーレン」っていう、ドライフルーツがたくさん入ってるお菓子です。日持ちもするし、寝かせると違った味が楽しめるので、ぜひ会津の食材を取り入れて作ってみたいですね。

たとえば、シュトーレンに包むマジパン(=アーモンドの粉末に砂糖などを混ぜてペースト状に固めたもの)を、ピーナッツで代用できないかな?とは考えています。

ーーーそもそも、どうして会津の伝統野菜を使おうと思ったのですか?

私が子供の頃は、伝統野菜がなかったんです。だから、他の地域から会津にUターン移住した当初は伝統野菜のことを知りませんでした。

でも戻ってきてから4年ほど経ったときに、会津の伝統野菜を復活させた長谷川純一さんにお会いし、はじめて伝統野菜の存在を知って。

そこから「立川ごぼう」や「小菊(こぎく)かぼちゃ」、「余蒔(よまき)きゅうり」に出会い、パンに使ってみたい!と思ったんです。それでようやく最近になって、商品に使えるようになりました。

会津の伝統野菜、立川ごぼうを使った「会津地鶏 W 砂肝甘酒みそ漬け野菜焼カレー」は、数量限定で販売中。

ーーーでは最後に、馬場さんの今後の目標を教えてください。

会津の生産者さんとタッグを組んで、いろいろなパンを作っていきたいですね。お店をオープンしてからたくさんの生産者さんとの繋がりができ、2018年3月からは100%会津の野菜を使ったパン作りができるようになりました。だから、これからも生産者さんとの輪を広げて、皆さんに愛されるようなパン作りを続けたいです。

あとは、生産者さん同士を引き合わせ、よりよい食材を作るお手伝いもしたいなと。微力ではあるものの、お世話になっている生産者さん同士を繋げたり、新しい事業をつくったりし始めたので、会津の食材をどんどん広めるために私が動ければもっと面白いかなと思います。

馬場さんがつくるパンには、会津産の食材が60%以上も使われている。

ーーー日頃から会津の生産者さんと繋がって、タッグを組んで、浮かんだアイデアを積極的に形にしているのですね。

規模は小さいですけど、さまざまな生産者さんと繋がり、そこからまた新しいアイデアも浮かぶようになって。

ゆくゆくは会津の食材を、たくさんの人に食べてもらえたら嬉しいですね。

ーーー會・matiereマチエール店主の馬場さん、ありがとうございました。

<會・matiereマチエール>

住所:福島県会津若松市飯寺北2丁目3-80 ※駐車場3台有り

TEL:0242-23-8713 FAX:0242-23-8714

営業時間:10:00~17:00(売り切れ次第終了)

定休日:木曜日(不定休有り)

HP: https://aimatiere.com/

Facebook: https://ja-jp.facebook.com/aimatiere/

instagram:https://www.instagram.com/3asayoshib/

mayu watanabe

愛犬と音楽をこよなく愛するフリーライター。 はじめて就職した会社でセールスライター経験を積んだのち、2018年に独立。ウィンタースポーツ・ローカル・旅行関連など幅広いジャンルの執筆を行なう。趣味はゴルフと1人カラオケ。