取材記事

【CROSS ARTZ】会津の買物弱者を助けたい。リアルな現場だからこそわかる、地域の本当の願い。

会津若松のビジネスカフェで、フリーマーケットのイベントが定期的に開催されています。
今回、そのフリーマーケットで素敵なリサイクルショップを見つけました。

店長は「CROSS ARTS」代表、船木大様。

設営や接客と、お忙しい中にも関わらず取材に応じていただくことができました。

ビジネスカフェ「テコ」で定期的に開催されているフリーマーケット。一番右が「CROSS ARTS」代表の船木様
ビジネスカフェ「テコ」内は様々なハンドメイド雑貨が販売され、賑やかな様相♪

究極に工夫された販売スタイル

「CROSS ARTS」様の販売スタイルは驚きです。
会場となるビジネスカフェ「テコ」に颯爽と1台のコンパクトカーが到着。

なんとこのコンパクトカーにその日に販売する予定の全ての商品が積載されているとのこと!
商品だけでなく、販売するために必要なPOP、衣類スタンド、テーブルも全てこの車に積まれています。

商品が満載の車。この中にたくさんのお宝が!

設営は、あっという間で30分ほど。
テーブルや衣類スタンドも車に積載しやすいよう全て組み立て式、短時間かつ一人で設営が可能になっています。

たくさん詰まっていた荷物が…30分ほどですっからかんに!

そこにはフットワーク軽く、どこでもすぐに販売を可能とする代表船木様の、そこはかとない工夫がありました。

横のつながりを大切にする業界

船木さん:

イベントへの出品は土日が中心です。

平日はインターネットでの出品や、商品を置いてもらっている所へ品物を入れ替える作業をしています。
また、仕入れも平日を中心にしていますね。

―――仕入れで東京に行くのも平日なのですか?

船木さん:

そうですね。
もちろん、メールで発注して、送って貰うということもありますよ。

販売するお店から不要になった商品を仕入れたり、閉店してしまったお店から、「買取」という形で仕入れていることもあります。
その場合は、もちろん私1社では手に負えないので、古物商の会社同士で分散して買取を行います。

古物商の古くからの文化ですが、お互いに自分の店舗ブランドにそぐわない物品は市場に再流通させて、逆に欲しいものを仕入れています

「目利き」が本業の船木さん。それぞれの商品がどのような価値があるのか。それを見極めることがこの業界の肝という。

―――それで、商品がうまく回っていくのですね?

船木さん:

そうなんです。
古物商の特徴として、同業者は横のつながりがとても広いんです。
だから飲食店のようなライバル心はほとんどありません。
横のつながりがとても大事な業界と言われています。

―――横のつながりというのは、会津の中だけなのでしょうか?それとも全国的なのでしょうか?

船木さん:

それは、その地域によって全然違います。
会津では骨董品関係の流通が基本です。
ブランド品関係はやはり東京か大阪が多いです。

―――それぞれのエリアごとに強い商品が違う?

船木さん:

そうですね。
集まる業者が違うと、市場に出てくる品物が異なってきます。
会津だとやはり、ブランド物や服などはほとんどなく、骨董品が多いです。

ところ狭しと並んだブランド品の数々。この並べ方一つにもいろいろなこだわりや思いが詰まっている。

お客様の考えていることを知りたかった

―――そもそもなぜこの事業を始めたのですか?

船木さん:

初めは副業だったんです。
前職の仕事だけで稼いでいくことに対する不安から、副業をはじめました。
最初の5年ほどは副業でやっていて、その後独立。
いつの間にかこの形になっていました(笑)
副業の期間も含めるともう15、6年やってますね。

副業で始めた当初は、手軽なネットの販売をしていました。
ただ、それだけではどんな人が購入しているのか分からないんですよね。

イベントでの出店は、「どんな人が、どんなものを欲しいのかな」と気になって始めたのがきっかけなんです。
どういう人が見てくださるのか、いくらくらいなら購入していただけるのかなとか。

このポールを使った商品の展示方法も船木さんオリジナル。簡易であるが、これこそが重要な販売戦術。

つまり、イベントを始めたもともとの目的は「リサーチ」でした。
でも、実際にやってみたらお客様と話すのがとても面白くて(笑)。
今に続いています。

―――やはり、お客さんと話したこと(分析結果)を、店舗に反映していくのですか?

船木さん:

そうですね。
顔が見えないネットと異なり、どのような人か、どれくらいの人が集まって来るのかがうっすら分かるようになるんです。

―――エンドユーザー(消費者)のことをきちんと考えていらっしゃるんですね。なかなかできないことだと思います。

船木さん:

会社員時代に感じていたことですが、同じことをやっているとどうしても周囲に置いてかれている気がするんです。
特に自営業では、何かやっていないと不安になります。

だから日々新しいことを考えて挑戦しています。
実際やってみてもうまくいくのは、20個に1個もないので、とりあえずやってみて、やめるというのも多いのですけど。

―――今後の展開としては、この事業自体を大きくしていこうと考えていらっしゃるんですか?

船木さん:

やはり一人では、頭打ちになってしまいます。
ですからできれば仲間を広げて、みんなでイベントをできたらいいと考えています。

あるいは、社員まではなくとも外注して商品を出せるような会社などのコミュニティーが作れればいいなと感じています。

ただ、アイデアはいっぱいあるのですが、なかなか人手が足りない状況です。
だからそのアイデアの中から、選んで物事を進めています。

すばらしい店舗を一瞬にしてつくる舟木さん。事業の課題を赤裸々に語っていただくも、その目は常に楽しそうに輝いていた。

アイデアを一つずつ実現していきたい。

船木さん:

例えば、今は「買い物弱者」を対象に回っていたりしています。
なかなか外を気軽に出歩けない高齢者の中には、毎日同じ服を着ざるを得ない状況にある人がいるというのも現状です。

以前は、近くのスーパーで服を出品していたりして。
そこに来られるおばあちゃんがたくさんご購入してくださっていました。

しかし、去年からスーパーに出店できなくなってしまいました。
この辺りは、気軽に服を買えるお店も少なく、そういった買い物弱者のご自宅を回るというのは需要があるのだなと感じます。

ですので、そういうところをうまく回る方法はないかと模索しています。

―――なるほど。地域の課題を解決したくても、大きい企業が阻止する動きが多いんですね。

船木さん:

そうなんです。
大きなスーパーなどは今までイベントがあっても、先方の担当が変わるとイベントが継続できないことが多いんです。
たとえ出店がOKなスーパーがあっても、出展料が高くて交渉が難航してしまいます。
金額面で合えば出店できるのですが、担当者が変わってしまうとまた出店できなくなる不安もあります。

私の場合、どこか「場所」を借りて商売することが多いのですが、今は人が集まりやすいところは結局大きなスーパーなど、チェーンしかありません。
いい場所を確保するのが難しくなってきました。

―――おばあちゃんがかわいそうですよね。

だから、アイデアを練っていろいろと挑戦しています。
しかし、いろいろやってはみるんだが難しいですよね。
最初に失敗して次はどうするか?みたいなもんだから。

でもできることから、始めていきます!

―――ありがとうございました!


今回の取材を通して見えてきたのは、「リアルな接点を持つことこそが本当の地域の需要を知る最短の方法」だということ。
インターネットが台頭する時代になり、その需要を知ること方法は増えてきましたが、インターネットでは調べられない需要が意外と地域の本当の課題だったりします。

そういった課題にまっすぐに目を向け、解決方法を模索する船木さんの活動がこれからもどんどんと大きくなっていくことを願っています。

CROSS ARTS 詳細情報

営業時間 9:00〜20:00(下記連絡先対応時間)

連絡先  0242-56-4298(電話FAX共用)
     090-9533-4109(携帯)
     sph48vg9@snow.ocn.ne.jp(メールアドレス)
  
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