取材記事

地域の文化や伝統を若者に伝え残していきたい【㈱古川石材店】石材を扱うから知ることができた歴史や思い出

自分の生まれた地域の歴史、あなたは知っていますか?

今回あいづっぺでぃあ取材班は、福島県喜多方市塩川町で創業100年を越える歴史の長い株式会社古川石材店に訪問させていただきました。

古川石材店さんの外観はこちらです
車は2台まで駐車可能です

代表取締役である古川一裕さんから石材店としての仕事の話から、地元である喜多方の地域活動の話まで様々なお話を聞かせていただきました!

読み終わったあとにはきっと自分の生まれ育った地域がどんな歴史を辿ってきたか調べたくなっているかもしれません。

思い出の1ページ

生まれたときからお墓が身近にあり、もはやお墓や石材が生活の一部であった古川さん。

漠然と、自分がここを継ぐことになるんだろうと父親の働く姿を見ながら思っていたそうで、

大学生になるタイミングで一度上京するものの、生まれ育った喜多方に社会人としてUターンで戻ってくることになりました。

そして現在古川石材店に勤め始めて10年を迎えました。
お客様訪問をして、どんなお墓を作りたいかのヒアリングをして、そして実際にお墓の作成まではじまりからおわりまですべての工程を行っています。

平成28年に若くして4代目の事業継承されたそうです

普通の生活を送っていたら見ず知らずの誰かの人生の思い出の1ページを見ることはほとんどないかと思いますが、その思い出の1ページに触れるのが古川さんのお仕事です。

どんなお墓を建てたいか、亡くなられた方のためにどんなお墓を建ててあげたいか…なかなかすぐには思い浮かばないと思いますが、それを思い出話をしながらうまく聞き出していきます。

スタンドガラスが入り、色も鮮やか
一般的に見るお墓のイメージから少し離れていました

そのため古川さんは多くの生まれ育った地域の歴史を知る機会が多くありました。地域の方のお話だけでなく、石材を扱う上で町の記念碑など過去の歴史が石という形になって残っているのです。

一方で、こういった環境下にいなければ地元の歴史を知る機会は少ないと言えますよね。古川さんはそれをもったいない、もっと今の若者やこどもたちに歴史を伝え残していきたいという思いがあり、

古川石材店の仕事以外にもきたかた商工会青年部などいくつかの地域団体で活動を行っているそうなので、具体的な活動内容に迫らせていただきました!

自分の人生と地域の活性化

自分がこれから働いていく町、もしかしたら一生暮らしていくかもしれない地域…それは自分自身の生活の満足度に密接にかかっていくことになります。

古川さんは東京から喜多方へUターンしてきた際、町に元気や活気がないと感じたそうです。

そこでこれから自分が暮らしていく町がせっかくだったら元気であってほしい、という思いもあり地域活動をはじめ多くの人との繋がりを作っていきました。

元気であってほしい、と思うことは誰にでもできますがそれを行動に起こすことは勇気が必要なこともあると思うので、

古川さんが複数の地域団体に所属していることが、喜多方を元気にしたい!という気持ちの大きさの現れなのかなと感じました。

地域団体の活動内容はイベントやお祭りの設営や出店を運営したりと外での活動もありながら、

小学校や中学校、高校で授業を行うこともあるんだとか。
高校では18歳以上が選挙への参加できるようになったときに、選挙についての講義を行ったり、

小学校では、”生まれ育った地域の歴史や伝統、文化を若者やこどもたちに伝えていきたい”ことをテーマに授業を行うことが多いそうです。

現状福島では、高校生が終わると若い人たちの多くが福島を離れ、そのまま東京や大阪などで暮らしていく人がやはり多いそうで、Uターンとして戻ってくる学生は一握り、というのが事実です。

古川さんや地域活動をなさっている方々は皆、そんな若者たちに少しでも喜多方を、地元のことを思い出して欲しい、こんな歴史があったなと記憶に残っていて

若者たちの「帰って来れる場所」を作りたいという思いがあるそうです。

しかし地元が好きで帰って来たいという学生を受け入れられるだけの準備ができていないこともまた事実です。

地元に帰ってきて欲しい」と「地元が好きで帰りたい

この二つの気持ちが一致したとしても、環境がその思いの実現化を円滑に進めることをまだ許してくれません。

古川さんはこの状況を取材班に隠さず話してくれました。
よそ者である私自身、こんなにリアルな福島の話を聞いたのははじめてでした。

そして古川さんは、地元を好きでいてくれている若者に幸せになってほしい、幸せになれるような環境作りはその地元で働き暮らす人、一人一人の意識のベクトルの向き次第だ、と仰りました。

気持ちだけではどうにもならないもどかしさを解消していくためには、やはり行動が必要なんだと感じることができました。

思考と選択

最後に古川さんに今の若者たちへ伝えたいことをお聞きしました。

それを二つキーワードにするとしたら私は、
「思考」と「選択」だと思いました。

世の中には自分にとって良い影響を与えてくれる人がいる一方で悪い影響を受けてしまうこともありますが、そこで自分の意思を見失わないことが大切で、

東京でも福島でもどこで働くとしても、自分で考え選択することで人は成長し続けられる

そして自分の生まれ育った地域を少しでも知ってほしい

古川さんが仰ってくれたことはできているようで意外とできていないこと、できている気になっていることだと思いました。

Uターンをしたからこそわかる視点から、町の変化や地元の現状を知ることができました。

古川さんたちが今の若者に向けて行う授業や地域の活動が、きっと未来の福島や会津を作っていくのだと感じることができた取材でした。

取材ありがとうございました!

株式会社古川石材店

住所:福島県喜多方市塩川町東栄町一丁目10番地4(塩川小学校前)
   ※駐車場2台有り

メールアドレス:furuishi@triton.ocn.ne.jp

TEL:0241-27-3217 FAX:0241-27-3774

営業時間:8:00~19:00

定休日:年中無休(年末年始除く)

HP: https://furukawa-sekizai.com/