今回は、セーカの会主催の「ほっと・ぶっと・あいづ 禅と法話の会」に参加させていただきました。このイベントは、初めての試みとのことで、場所は、会津稽古堂多目的ホールにて行われました。
6人の禅僧による開催で、「幸せに生きるための4つの教え」というテーマをもとにそれぞれのお話をお聞きしました。
12月15日(木)午前10時~11時30分と朝早くからの開催ではありましたが、参加者は、70名ほどが集まり、大盛況のイベントとなりました。
このレポートでは、今回のイベントの大まかな内容と、私、大川が特に、大事だと感じた部分の紹介をさせていただきます。
会場が静寂に包まれる「いす坐禅」
まず初めに、いす坐禅からイベントはスタートしました。普段、坐禅というものをしないので、いきなり、坐禅をします。と言われるのが不思議な感覚だったのですが、お坊さんのおっしゃる通り、いす坐禅というものをしました。
座っていると、やっぱり、いつのまにか、いろんなことを考えてしまいました。
妻のこと、趣味のこと、これからやらなければならない仕事のこと、上司のこと・・・等、数限りなく、いろんな思いが浮かんでは、消えて、しばらく考えていると、また考えてしまいました。
そしてまた、しばらくすると、違う思いが湧いてくる。このような繰り返しを私自身はいす坐禅をしながら感じていました。
いす坐禅は、その名の通り、「いすに座りながら坐禅をする」のですが、そもそも坐禅にはどんな効果があるのかを調べてみました。
ここ最近では、穏やかな心を手に入れるための方法として、瞑想や坐禅が良いと言われていますよね。
坐禅とは、姿勢を正して座り、精神を統一させることで自分と向き合うという仏教の修行方法のこと。 その本来的な意義は、「自分自身のこころを静かに見つめ直すこと」にあります。
坐禅には、いろんな効果があると言われていますが、多くは、心が穏やかになることや、心が安らかになることだと思います。
この穏やかな心や安らかな心が、以下のような効果を生み出すと言われています。
1.脳を休ませることができる
2.集中力が向上する
3.ストレスを解消する
4.ストレスを生み出しにくくする
5.体の血流がよくなる働きをする
6.脳からアルファー波がでる
アルファー波とは脳波の一種で、安静にリラックスしている時に出るものです。これらの効果は、坐禅によって、脳内のセロトニンが活性化することが関係しています。セロトニンとは、神経伝達物質のひとつで、心身の安定や心の安らぎと深く関係の深いものなのです。坐禅をすると体内でセロトニンが活性化することがわかっているんですね。
セロトニンは、リズムのある運動で活性化するようですから、意識的な腹式呼吸やウォーキングやジョギング、サイクリングなどリズミカルな運動もいいそうです。
以上のような、医学的な側面もあるということも、ちょっと頭の片隅におきながら、座禅をするというのもいいですね。
6人のお坊さんによる法話リレー
イベントのメインは、お坊さんによる法話リレーでした。「幸せに生きるための4つの教え」というテーマにもあるように、導入→4つの教え→帰結の流れで、順にお話をされました。
導入では、佐藤泰典さん(会津若松・恵倫寺)が「菩提心をおこそう」というお話をされました。
菩提心とは、「悟りを得ようとする心」それはつまり、「幸せに生きたいと目指す心」である。と佐藤さんは仰っていました。また、菩提心の実践の時は、自分の心を整えてから行うことを勧めており、整っている状態=心に余白がある。余裕がある。ということを話していました。
人は、日々生活をする中で、忙しかったり、悩んだり、不安になったり、沢山あると思いますが、佐藤さんが話していた、菩提心を起こすことは、何かすごく大事なことだと感じました。
では、どうやったら心に余裕ができるのでしょうか?
佐藤さんは、1つは、「坐禅をすることだ」と話していました。
まずは、自分を無にする環境状態を作ること、そこから始めると、菩提心を起こせるようになり、幸福に向かうのかなと思いました。
その後、本題の4つ教えについて、お話されました。
教え①「布施」須藤智顕さん(会津若松・宝積寺)
教え②「愛語」土田真輔さん(喜多方・龍源寺)
教え③「利行」井上順平さん(喜多方・良縁寺)
教え④「同事」山田康裕さん(会津若松・秀安寺)
ここでは、私が特に感銘を受けた、教え③「利行」について書かせていただきます。
教え③「利行」は、思いやりを持ち、人のために行うことを意味しています。すべての出会いが、良縁。見返りを求めず、誰かを助けるために工夫することです。
やはり、人は、自然と自分のために生きることを選択していると思います。ただ、利行は、人の得も、自分の得も、いい事だと思うこと。人のために、自分の時間を費やすことです。
井上さんは、こんな例えを仰っていました。
「子供が何かにチャレンジしようとした時に、つい手を出してしまう時がある。ただ、子供のために、自分の時間を費やすことが大事です。親としては、どうしても手を出したくなっても、子供を見守る。そうすることも利行のひとつかもしれません。」と。
助けた方からの見返りがなくても、助けた方がまた誰かを助ける。そのような利行の連鎖が行われれば、良縁ができ、人生がいい方向にすすむ。
このような考えを持てるようになることができました。
人の幸せが自分の幸せ。そう思えるように、日々意識していこうと思います。
本当の幸せを求めて
教えの最後に、帰結として、楠恭信さん(猪苗代・長照寺)が「四つの教えを胸に」というお話で締めました。
幸せはどんな時に感じるでしょう?
本当の幸せは、モノによっては満たされません。お金やモノは、一時的な幸せ。
本当の幸せは、心の豊かさです。
心の豊かさがあれば、感謝できる。
楠さんは、そう仰っていました。
今回、取りまとめをされた楠恭信さんは、ある時から、地域が良くなればいいな。と思って、お坊さんの道に進み、そうしているうちに、自然と感謝されることが増えるようになったそうです。
私は、お話を聞いて、心の豊かさは、人との関わり。自然や文化でちょっとでも役に立つような行いをしていくことで、芽生えていくものなのかと思いました。
人の幸せを願う生き方が自分の幸せが手に入ると信じ、今回学んだ、4つの教えを胸に抱いて、過ごしていこうと思いました。
未定とのことですが、反響があったので、可能なら継続していきたいとのことでした。
次回の開催も楽しみにしています。
ありがとうございました!!